鹿肉ジャーキーの中が赤いのはなぜ?|ミオグロビンと、鮮度の見分け方
Aug 14, 2026
結論からお伝えします。鹿肉ジャーキーの断面が赤いのは、異常ではありません。赤みの正体は「ミオグロビン」という筋肉の色素タンパク質で、血でも生焼けでもありません。むしろ、原料の鮮度が保たれているサインでもあります。
※記事中の写真はイメージです。
「割ってみたら中が赤かった」というお問い合わせを、Rawtoではときどきいただきます。イベントで対面販売をしたあとは、特に多くなります。
気づいてご連絡くださることは、私たちにとってありがたいことです。ここで、その理由をきちんとお伝えしておきます。
ミオグロビンとは
ミオグロビンとは、筋肉の細胞の中で酸素を蓄えておくための色素タンパク質です。肉が赤く見えるのは、このミオグロビンによるものです。
よく「肉の赤い汁は血」と思われがちですが、これは正確ではありません。米国農務省(USDA)食品安全検査局も「ミオグロビンは血液中を循環せず、組織の細胞に固定されている」と説明しています。血液は解体の工程でほとんど抜けており、そのあと肉に残る赤さは、このミオグロビンの色です。
鹿肉に赤みが残りやすい、3つの理由
1. 鹿はもともとミオグロビンが多い
ミオグロビンの量は、動物によって、また同じ動物でも筋肉によって違います。食肉科学では、運動量の多い動物ほど、また持久力を担う筋肉(遅筋)ほど、ミオグロビンの濃度が高いことが知られています。
鹿は、山を移動し続けて生きる動物です。囲いの中で育つ家畜とは、日々動く量がまるで違います。そのぶん色素が濃く、同じように乾燥させても、牛や豚より赤みが残りやすい素材だと言えます。
2. 色素は「熱と酸素にふれた時間」で褐色に変わる
ミオグロビンは、熱を受けるとタンパク質の部分が変性し、灰褐色へと色を変えます。「火が通ると肉が茶色くなる」のは、この変化が起きているためです。
Rawtoの鹿肉ジャーキーは、一枚ずつ温風で乾燥させています。表面はしっかり褐色になりますが、中心部までは色素の変性が進みきらないため、割ると赤みが顔を出します。「外は茶色、中は赤い」という断面は、この作り方では自然な状態です。
3. 赤いということは、酸化が進んでいないということ
もうひとつ、鮮度の話です。
肉のミオグロビンは、時間が経つにつれて酸化し、褐色の「メトミオグロビン」へと変わっていきます。スーパーの精肉が日が経つと黒っぽく見えてくるのは、この変化です。つまり、赤みが残っているということは、原料が酸化する前に加工されているということでもあります。
Rawtoが受け取るのは、京都・舞鶴の山で、銃を使わない箱罠で獲られた鹿だけです。山から加工場までの距離が短いことは、この色にも表れています。
ハムの赤とは、別のものです
ハムやベーコンが加熱後も鮮やかな赤色を保っているのは、発色剤(亜硝酸塩)がミオグロビンと結びついているためです。これは食品添加物による色です。
Rawtoの鹿肉ジャーキーの原材料は「国産鹿肉」の一語だけで、発色剤も保存料も使用していません。断面の赤みは、添加物由来のものではありません。
色ではなく、ここを見てください
USDA食品安全検査局は「加熱の程度と安全性は、色では判断できない」と明確に述べています。赤いから危ない、茶色いから安全、という判断はどちらも成り立ちません。
おやつの状態は、色ではなく次の4点でご確認ください。
| 確認するところ | 問題のないサイン | 与えるのをやめるサイン |
|---|---|---|
| におい | 肉の香ばしい香り | 酸っぱい/ツンとしたにおい |
| 手ざわり | 乾いていて、手で割れる | ぬめり、糸を引く |
| 見た目 | 断面の赤みは問題なし | 白や緑のカビ |
| 袋の状態 | ふくらんでいない | 未開封なのに袋がふくらんでいる |
この4点に異常がなければ、断面の色にかかわらず、そのままお与えいただいて問題ありません。
Rawtoの作り方
Rawtoの鹿肉ジャーキーは、京都・舞鶴の山で、銃を使わない箱罠で獲られた鹿からつくっています。獣害対策で捕獲された鹿の命を、最後まで活かしたい。それが出発点です。
- 箱罠の鹿だけ:Rawtoが受け取るのは箱罠で獲られた鹿だけ。猟銃を使わないため、弾に含まれる鉛が肉に残るリスクが低くなります
- 金属探知検査:仕上げたジャーキーは、金属探知機を通してからお届けしています
- 原材料は鹿肉のみ:香料・保存料・着色料・発色剤は不使用です
一枚ずつ温風で乾燥させ、手で割れるやわらかさに仕上げています。断面の赤みは、その工程がそのまま姿になったものです。
よくあるご質問
Q. 中が赤いジャーキーを、そのまま与えても大丈夫ですか?
はい。赤みはミオグロビンという筋肉の色素によるもので、血でも生焼けでもありません。においやぬめり、カビに異常がなければ、そのままお与えいただけます。
Q. 加熱が足りていないということではないのですか?
違います。肉の色は加熱の程度を表しません。USDA食品安全検査局も「色で加熱の程度と安全性は判断できない」としています。鹿肉は色素が濃いため、中心部の赤みが残りやすい素材です。
Q. 全体が茶色いジャーキーとは、何が違うのですか?
乾燥の温度や時間、そして原料の鮮度によって、色素の変性と酸化の進み方が変わります。全体が均一に褐色の製品は、その変化が中心まで進んでいる状態です。
Q. 保存はどうすればいいですか?
賞味期限は加工日より6ヶ月です。直射日光・高温多湿を避けて保存してください。開封後は湿気を避け、なるべくお早めにお与えください。
Q. 子犬やシニア犬にも与えられますか?
子犬は、硬いおやつを噛める力がついてくる生後6ヶ月以降を目安にしています。手で割れるやわらかさの薄切りですので、小さくして、歯が弱くなったシニア犬にもあげていただけます。与える量や体調については、個体差がありますのでかかりつけの獣医師にご相談ください。
おわりに
色ひとつでも、気になったら聞いてください。
私たちは、その理由をお伝えできるようにものをつくっています。
長く付き合いたい、というのはそういうことだと思っています。
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参考:米国農務省 食品安全検査局(USDA FSIS)"The Color of Meat and Poultry" / "Color of Cooked Ground Beef as It Relates to Doneness"