動物VS猟師!! 罠を巡る攻防
猟師と聞くと、
猟銃で狩猟を行うイメージが強いかもしれません。
しかし、日本の狩猟は大きく分けて
「銃猟」と「罠猟」の2種類があります。
私たちが提供するRawtoの商品も
罠で捕獲された鹿の肉を使用しています。
今回は、罠猟について、
Rawtoのメンバーの一人、
猟師のイズミさんに話を伺いましました。
罠の種類
「はこ」と「くくり」と言われる2種類の罠猟について。
「はこ」とは、箱檻の中に餌をおき、
動物がその餌を食べに檻の中に入ったところで捕獲する方法。(*1)
「動物も賢い。
中に入ると分が死ぬということをわかっている。」
このため、賢い動物たちは
中に入らずに何とかして餌だけを食べようとする。
箱檻の中に入るのは、
それを食べないと死んでしまうというような状況でのこと。
動物にとって、本当に最後の選択だと言います。
「くくり」とは、仕掛けた罠を動物が踏むと
ワイヤーが足を縛り、動物を捕まえるというもの。(*2)
動物は自分の足跡の上を歩くため、
その習性を利用し、
動物の足跡の一つに罠を仕掛けるそうです。
くくりの罠を仕掛ける作業は、
罠が入る分の面積だけの穴を掘る。
罠のぶんだけ塊で地面をくり抜き、移動する。
この時、土の表面はなるべく元のままの状態でないといけない。
そこに罠を仕掛ける。
またその移動した土を被せ
何事もなかったかのように戻すのだという。
イズミさんによると、動物たちは非常に賢く、
また、警戒心も強いという。
「人が猪の獣道を歩くと、
猪は二度とその道を使わなくなる。
だから獣道のすぐそばを歩き、
獣道は絶対に通らない。」
特に猪は警戒心が強いそうだ。
「鹿は猪と比べると
罠にかかりやすいですけどね。」
イズミさんは、猪の賢さを強調します。
特に大人の猪になると罠にかけようとするも、
一筋縄ではいかない。
「罠を仕掛けるときは
周りの景色をできるだけ変えないように慎重に作業します。
それでも罠に気づかれてしまう。
罠を見つけると掘り返しておくよ。」
数日後にイズミさんが罠を仕掛けたところに行くと、
地面に罠が晒されていた、なんてこともしばしば。
「罠で動物を捉えるには
まず相手のことをよく知らないといけない。」
警戒心の強い動物を
罠に掛けるにはどうすればいいのか。
動物たちとの知恵比べだと
イズミさんは話してくれました。
(*1) 箱檻(はこおり)…箱罠とも言われる。箱状の檻のことで、餌を使って箱の中に獲物を引き寄せて、獲物が中に入ると扉が落ち、捕獲する仕組み。
(*2) くくり(くくり罠)…獲物が通りそうな獣道にあらかじめ罠を仕掛けておき、獲物が足で罠を踏み抜くとバネの力で罠が作動。 ワイヤーが動物の足を括り捕獲する仕組み。