鮮やかに欺け!動物との駆け引き
前回の記事では、
罠の種類と動物の習性について
イズミさんに話を聞きました。
罠について興味がある方は
ぜひ前回の記事もご覧ください!
▶︎ 記事 ( 動物VS猟師!! 罠を巡る攻防 ) はこちら
今回の記事では
Rawtoのメンバー、 猟師のイズミさんに
どのように罠を仕掛けているのか、
「くくり」についてさらに詳しく話を伺いました。
「くくり」の罠を仕掛けたところを動物が踏むと
ワイヤーが足を縛り、動物を捕まえるというもの。
動物が自分の足跡の上を歩く習性を利用し、
動物の足跡の一つに罠を仕掛けます。
猪は大抵、自分たちが通る道を
3本持っているという。
この獣道に罠を仕掛ける。
獣道は山の上の方から
はじめは1本の道が、
人間のところに降りてくる途中で3本に分かれる。
その3本の道はいつも通る道と、
予備の道の2本に分かれている。
罠を仕掛けた時に景色が変わってしまうと
景色の違いに気づき、
警戒心が強い猪はその道をしばらく使わなくなるそうだ。
罠は慎重に仕掛けられる。
「まず、獣道が3つに分かれる場所に罠を仕掛ける。
ここは、動物がよく通る場所だから、
捕獲できる確率が高いんです。」
まずは1本が3本に分かれるところに罠を仕掛ける方法。
そしてもう一つの方法。
こちらはもっと時間と手間をかける。
「まず予備の道に罠を仕掛ける。
時間が経ち、先に仕掛けた罠が他の景観と馴染み、
見分けが付かなくなった頃に、
メインの道にもう一つ罠を仕掛けるんだ。」
そうして予備の道を使うように仕向け
罠にかけるとのこと。
イズミさんはこの2つのパターンで罠を仕掛けるのだとか。
また、イズミさんは
罠を仕掛けるタイミングも重要だと話します。
「猪は警戒心が強い。
罠を仕掛けてすぐにメインの獣道に仕掛けても、
見破られてしまう。
だから、時間をかけて罠を自然に馴染ませてから、
メインの獣道に仕掛けるんです。」
人が気づかないレベルのごく微妙な変化にも気づき、
警戒されてしまう。
「動物たちは山を知り尽くしている。
その相手のフィールドで素人である人間が
どうやって動物を仕留めるか。
それが罠猟なんです。」
罠で動物を捉えることは、
まさに動物たちとの駆け引きだ。
そこでは緊張感のあるやり取りが
静かに繰り広げられていました。