鹿は、いつ獲られているのか。|狩猟期間と有害捕獲のちがい
Aug 23, 2026
鹿が獲られているのは、狩猟期間だけではありません。
一年のうち、決められた期間に行われるのが「狩猟」。それとは別に、田畑の被害を防ぐために、期間を問わず行われるのが「有害捕獲」です。
Rawtoが使っているのは、後者です。この記事では、その違いを整理します。
狩猟期間とは
狩猟期間とは、狩猟免許を持つ人が、登録した地域で野生鳥獣を捕獲できる期間のことです。
全国の原則は11月15日から翌2月15日まで(北海道は10月1日から1月31日まで)。ただしニホンジカとイノシシについては、都道府県が期間を延長していることが多く、3月15日までとされている地域が少なくありません。
京都府の期間は年度ごとに告示されます。最新の日付は京都府のページでご確認ください。
なぜ、狩猟に期間があるのか
理由は大きく三つあります。
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 繁殖期を避けるため | 春から夏は多くの野生動物が子育てをする時期。個体数を維持するために、この時期の捕獲を避ける |
| 人の安全のため | 山菜採りや登山で山に入る人が増える時期と、狩猟の時期を重ねない |
| 狩猟資源を守るため | 通年で獲り続ければ、獲るものがなくなる |
つまり狩猟期間は、「獲っていい期間」を決めているというより、「獲らない期間」を決めている制度だといえます。
有害捕獲とは ── 期間の外で行われる捕獲
有害捕獲(有害鳥獣捕獲)とは、農作物や生活環境への被害を防ぐために、行政の許可を受けて行われる捕獲のことです。
こちらは狩猟期間の外でも行われます。というより、被害が出るのは春から夏にかけてが多いため、猟期外こそが本番という側面があります。
田畑の作物が育つ時期に、鹿が里へ下りてくる。それを防ぐために捕獲する。狩猟とは目的そのものが違います。
狩猟と有害捕獲のちがい
| 狩猟 | 有害捕獲 | |
|---|---|---|
| 目的 | 狩猟そのもの | 被害の防止 |
| 時期 | 決められた期間のみ | 通年(許可の範囲で) |
| 必要なもの | 狩猟免許+狩猟者登録 | 狩猟免許+行政の許可 |
| 誰が担うか | 登録した狩猟者 | 有害鳥獣捕獲の従事者 |
| 獲れた個体 | 自家消費や流通 | 多くは埋設・焼却処分 |
最後の行が、Rawtoの出発点です。
獲られた鹿は、その後どうなっているのか
有害捕獲された鹿の多くは、活用されずに処分されています。運び出すのに人手がかかり、受け入れる処理施設が近くにあるとは限らないからです。
山で埋められる。あるいは焼却される。それが、いまの標準的な流れです。
Rawtoが扱っているのは、京都・舞鶴で獣害対策のために捕獲され、そのままでは処分されていたはずの鹿です。
- 銃を使わない箱罠での捕獲
- 金属探知検査
- 獣医師の監修
この三つを、私たちは省略しません。
罠猟について
有害捕獲でよく使われるのが罠猟です。銃と違い、単独でも扱えること、周囲への危険が少ないことが理由として挙げられます。
罠には主に二種類あります。
- 箱罠:檻状の罠。食べもので誘い込み、扉が閉まる。個体を選んで対応できる
- くくり罠:足を締めて捕らえる罠。設置は容易だが、目的以外の動物がかかることがある
Rawtoが使っているのは箱罠です。銃を使わないため、鉛弾の破片が肉に残る可能性を、工程の前段で断つことができます。
なお、わな猟を行うにはわな猟免許が必要です。狩猟免許は網猟・わな猟・第一種銃猟・第二種銃猟の4種類に分かれており、罠だけを扱うのであれば、わな猟免許のみで足ります。
獲れる量は、月によって変わる
制度上は通年で捕獲できても、実際に獲れる量は一定ではありません。山に食べものがあるかどうかで、鹿が里へ下りてくる頻度が変わるからです。
京都・舞鶴の現場では、4月と6〜8月に増え、新芽の出る5月と実りの9〜10月に減る傾向があります。
くわしくはこちらに書きました。
そして、獲らない日もあります
もうひとつ、制度には書かれていない「獲らない期間」があります。
お盆です。
私たちのフードを作っている舞鶴の加工場は、この時期、数日間止まります。暑さでも人手でもない理由で。
その話は、別の記事に書きました。
よくある質問
Q. 狩猟期間はいつからいつまでですか? A. 全国の原則は11月15日から翌年2月15日まで、北海道は10月1日から1月31日までです。ニホンジカとイノシシについては都道府県が期間を延長していることが多く、3月15日までとされている地域が少なくありません。年度ごとに告示されるため、お住まいの都道府県のページでご確認ください。
Q. なぜ狩猟に期間が決められているのですか? A. 主な理由は三つです。春から夏の繁殖期を避けて個体数を維持すること、山に入る人が増える時期と重ねずに事故を防ぐこと、そして通年の捕獲による資源の枯渇を防ぐことです。
Q. 狩猟期間外に鹿を獲ることはできますか? A. できます。農作物や生活環境への被害を防ぐための「有害捕獲」は、行政の許可を受けたうえで、狩猟期間の外でも行われます。被害は春から夏に集中するため、猟期外の捕獲が中心になる地域もあります。
Q. 有害捕獲された鹿は、どうなっているのですか? A. 多くは活用されずに埋設または焼却されています。山から運び出す人手がかかること、近くに受け入れる処理施設があるとは限らないことが理由です。Rawtoは、この捕獲された鹿を原料にしています。
Q. 罠だけを扱う場合も免許は必要ですか? A. 必要です。狩猟免許は網猟・わな猟・第一種銃猟・第二種銃猟の4種類に分かれており、罠のみを扱う場合はわな猟免許を取得します。
Q. Rawtoの鹿はどの方法で捕獲されていますか? A. 銃を使わない箱罠による捕獲です。銃を使わないことで、鉛弾の破片が肉に残る可能性を工程の前段で断っています。あわせて金属探知検査と獣医師の監修を行っています。